6月24日から7月1日まで、第二回ルーマニアを美しくする会に参加してきました。日本からは5名参加しました。
ルーマニアは、1998年にチャフラフスカの独裁的社会主義から自由主義の国に変わりましたが、2年程前に財政破綻を来たしました。その後、IMFから多額の資金援助を受けて再建途中のため、財政縮小策により、公務員給与25%カット、年金改悪、消費税は24%、と大変厳しい経済状況となっています。
しかし、掃除を取り入れた「改善活動」によって、多くの顧問先企業の再生・成長を指導してきた、ルーマニア改善リサーチのジュリアン・ブラット社長は、改善活動の取組を行政にも働きかけ、このような厳しい状況下であっても、地域社会の再生と発展の一助となることを願い、運動を起こされました。
今回もアルバ・ユーリア市で開催され、昨年同様、行政、地元企業、市民ボランティアの三者一体で、約80名が参加する大会となりました。開会式、閉会式は、大学の講堂を使いましたが、掃除場所は住宅街の中にある古い映画館前の汚れた広場で、大変やりがいのある掃除実習となりました。
さらに今回、元山梨警察学校校長の清水徹さんが参加したことで、地元の警察官が10名近くも参加し、ボーイスカウトの若者達とも交わって、大変盛り上がった大会となりました。
掃除大会の後、アルバ・ユーリア市にある、社員200名を有するスプレミア社の改善活動の見学を行いましたが、この会社は、穀物の種を粉砕して粉状にしているため、辺りが微粉で真っ白になっていても不思議ではない環境のはずが、ゴミ一つなく、清潔に保たれていたことに驚きました。
勿論、机の上に必要なもの以外はなく、掲示物も決まった場所にあり、それも社内データーが、総て「見える化」の工夫がされていました。特に、全社員参加の改善活動には素晴らしい工夫がされていました。不況下であっても、選ばれて伸びていく会社だと思いました。
最後の報告は、ルーマニアの北部に位地するオラダ市を訪れたことです。行政に「改善活動」を導入し、市の活性化を計りたいとの市長の強い意欲を感じました。
由緒ある古典的な会議場に、市の幹部、警察官、職員が60名程集まり、9時から11時まで、日本での掃除活動の報告と意見交換を行いました。その後、庁舎内の見学をしましたが、とても美しく整理整頓され、日本以上の美しさとサービス精神に驚きました。
財政20%削減の中で市政を運営するには、「全市を上げての改善活動にある」との市長の言葉に重さを感じました。