~掃除道に生きる~田中義人ブログ

  • いいことも、悪いことも小さなことから始まる

    2018年05月03日


    みなさん、ハインリッヒの法則をご存じでしょうか。

    今から80年程前、アメリカの損害保険会社で調査部に勤務していたハインリッヒ氏は、労働災害5000件以上を統計的に調査研究した結果、「1:29:300の法則」と呼ばれる、1件の重大事故の背景には、29件の軽度の事故と、300件の事故にはならないが「ヒヤリ・ハッとする」ことがあった、と発表しました。そしてその背景には、必ず、前触れとなる危険な状況があることも発表されました。

    つまり、職場環境が乱れてくることで、事故発生率が高まることを表しています。事実、職場環境が乱雑な職場では、社員の気持ちも荒み、事故率、不良率は高くなり、傷害となる事故も多く発生しています。

    同じように街の犯罪も、街の汚れに比例して起きています。例えば、新宿歌舞伎町は、以前は汚れと悪臭の漂う日本でも有数な犯罪地帯でしたが、この15年、毎月1回の掃除活動を継続していくことで、街が美しくなり悪臭も消え、犯罪率が半減しました。

    大半の人たちは、事故が発生すると、その事故の表面的対応のみで解決を計ろうとしますが、それでは残念ながら同じ事を繰り返します。歌舞伎町においても、当初、犯罪を取り締まる為にパトロールや監視カメラの増設で対応しましたが、環境美化の効果にはおよびませんでした。

    このように私達は、物事を短絡的に、かつ、本質的なところまで原因を追求することなく解決を急ぎますが、そのものを生み出す土壌ともいえる環境を整えていくことが、一番良いようです。その為には、身の回りの小さな事への気づきから始めなければなりません。

    確かに、伊那食品工業、イエローハットの創業者は、掃除を徹底して環境を整備し、小さなことの改善を繰り返して今日の会社を築かれました。そして、二人の経営者に共通していたのは、仕事上で部下の失敗をとがめることはなく、身近なことで迷惑をかけるような些細なことを徹底して正した、ということです。

    今、私達の会社も、お互いを大切にするいい社風が根づいてきましたが、後片付や身の回りの整理整頓、決まり事を守ることはまだまだです。これらのことが、しっかり出来る会社になった時、本当に善循環が始まると思います。

    互いに「総ての物事は、小さなことから始まる」ことを忘れることなく、気配りをしていきましょう。

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