私たちは、よく苦しいことや嫌なことに遭遇すると、何故、自分だけがこんな苦しい目に遭うのか、と思いがちです。そして、他の人たちは何も問題もなく生きている、ように見えるものです。でも、本当にそうでしょうか。
人は生きている以上、悩みや問題からは逃げられないようです。では、それは何故でしょうか。
1. 世の中は、常に変化している
身の回りは常に変化し、その影響を受けながら生活をしていますから、その中で生活している私たちは、当然、影響を受け問題が起きます。
今、私たちを取り巻く社会は大きく変化しています。特に会社においては、熾烈な競争に勝たなければ生き残ることが出来ず、常に顧客要望への対応をしなければなりません。何もしなければ衰退、倒産していきます。
また、家庭においても、子供たちが成長する中で、多くの問題を提起してくれます。そして私たち自身の体も、年齢と共に老い、生老病死の苦しみから逃げることはできません。
2. 人間は、一人では生きられない
人間と言う文字は、人と人との間と書くように、人間関係なくして生きられないものです。
例え夫婦であっても、他人同士が一緒になって家庭を築きます。しかしながら、人(家族も含む)は、自分の思うようには動いてくれないものです。ですから、他人を動かすことは難しいものです。
昔から、人生を歩むには「愛別離苦」(あいべつりく)、「怨憎会苦」(おんぞうえく)、「求不得苦」(ぐふとくく)、「五陰盛苦」(ごおんじょうく)が避けられないと言われています。つまり、自分の思うようにはいかないのが、人であり、人生のようです。だからこそ、常に問題が生じやすいのです。
3. どのような人、会社、物にも一長一短がある。完璧なものはない
この世に存在するもの、また、起きることには、必ず意味があり一長一短があります。それは、どんなに仲のいい夫婦であっても、素晴らしい会社であっても、家庭であっても、必ず問題が起き、そのことには意味があり一長一短があります。得てして人は自分自身を棚に上げて、相手に完璧を求めるようですが、そのことが問題を引き起こすようです。
例えば、身近な夫婦関係であっても、相手の欠点を指摘し合って、関係がよくなることはなく、むしろ気まずくなり、お互いに責めあうこととなり不平、不満の関係となってしまいます。逆に欠点を指摘することなく黙って補完し合っていくと和が保たれ、長所に目を向けられると心地よくなるものです。ゆえに、長短を知りながら全体を受け入れていくことで健全な家庭が築かれるようです。
会社も同じで、欠点、問題点をあげつらって自慢顔の人がいますが、これほど不愉快なことはありません。会社の欠点、問題に対して、自分の立場で出来ることを探して自ら協力している人とは、信頼関係が生まれます。