正月のNHK Eテレで、世界の人たちの幸福観を求める番組がありました。
昨年の国連の幸福度調査によると、日本国民の幸福度は43位とあり、この数字を見た時、一瞬、なぜ?と思うと同時に、あまりに恵まれた環境に慣れきった人間の悲しさを感じました。
番組では、「人は、お金、権力を手に入れることで、幸せになれるのか」との仮説を持って、国々を調査したところ、その仮説は当たらないどころか、むしろ、止めどもなく次の欲求と不安を拡大していくことを指摘していました。貧乏だから、後進国だから、不幸とは限らないということでした。
事実、インドの田舎町のある貧乏な家族の事例が映し出されていたのですが、父親は、朝から夜まで肉体労働をして家族を養っていましたが、そこには家族中の笑顔と感謝で満たされ、「自分たちは幸せです」と語っていました。
日本は、半世紀に渡り戦争がありません。世界3位の経済力で所得も高く、医療、住環境も充実し、国民の義務教育も充実し、自由にものが言え、職業も自由に選べ、安全、安心な国です。これだけ条件の揃った国が、世界中を探して、どこにあるのでしょうか。
それでいて、常に不安と不満感を持ち、自分たちは幸せではないと思っている国民に、未来はあるのでしょうか。人間は、どれだけ恵まれた環境にいても、感謝を忘れた時から不幸が始まるようです。
そこで番組では、世界共通の幸せの三条件を発表していました。
1. 人との交わり・・・よき人間関係であること
2. 親切心・・・人に対して優しくあること
3. ここにいること・・・感謝を持って今を大切にすること
幸せは、お互いを大切にし合う人間関係の中にあり、特に身近な家族関係が良好で、自分だけではなく地域、社会の人たちへの思いやり、優しさを持って、与えられている今を大切に生きることだとありました。
そして、番組の最後に、幸福な街づくりの事例として、過去に造船と炭鉱で栄えた街が落ちぶれてしまい、若者が街を離れ、犯罪と精神病の多発に苦しむイギリスのサウス・タィンサイド市の「幸福度を高める街づくり」が映し出されました。
そこに映し出されたのは、「住民参加の清掃活動」で、お年寄りの方たちが、手に手に掃除用具を持って街を掃除している姿でした。
正に、掃除活動は、人も会社も地域も変えてしまう、幸せの三条件を満たしていく実践行為であると確信しました。