以前、ある企業の方から、掃除を徹底するために社内に5S委員会をつくり活動を始めましたが、中々思っていたように動いてくれません。なぜでしょうかと質問を受けました。
その方の進め方として、その筋の立派なマニアルにそって組織がつくられ、方針、目標、計画まで緻密に作成され、各部署に誰にでも見えるように掲示されているそうです。そして、5S委員会の人たちは、率先して5S状況を視察、チェックし、その進行状況を把握し現場へ返しているのに、現場の
人たちの気持ちがのってこないと嘆いていました。
このことは、私自身も体験していることで、なるほどと思いあたることが多々ありました。その第一は、人は欠点を指摘されるとやる気をなくすもの。第二は、良いことほど押し付けられると嫌なもの。第三に職場の土壌(人間関係)が冷えてくると物事を受入れにくくなること。
つまり、システム導入前に、リーダーが職場土壌(人間関係)をよくしていくことに努め、最初からシステムを提示するのではなく、ある程度、その必要性が見えてきた時に、システムを提示していくと受入れられるようです。そして、リーダーは、現場で行ってほしい姿を、言葉で語るのではなく体で語ることで、周りの人たちも納得して動いてくれます。
ですから、その5S委員会の人たちに、舞台に上がるのは、現場の人たちであること、指摘ではなく自ら実践し見本を示すこと、嫌な事は5S委員会が壁となり、お世話役として身を挺して活動したならばと話したところ、後日、うまく動き出したとの報告を受けました。