先日、田中ゼミで掃除を学んでいる興和運輸(株)の岡崎直人社長の会社を訪問いたしました。
興和運輸は、大型車両を約100台も有する、中堅どころの運輸会社です。構内にはゴミ一つ落ちてなく、庭園も手入れが行き届き、置かれていた大型車両もピカピカに磨かれ、綺麗に整列されていました。中には、帰って来た大型トラックを手洗いで洗車されている方もいて、タイヤもワックス仕上げで驚きました。
岡崎社長から、掃除の取り組みと効果について聞きましたところ、またまた驚きました。
(1)車両事故、荷扱い事故が激減した。
(2)車両保険が割引の最高70%以上になった。
(3)燃費が10%減った。
(4)社員同士が助け合うようになった。
(5)社外に依頼していた修繕、保全管理が自社で出来るようになった。
(6)社内の雰囲気がとても良くなった。
(7)お客様からの評判が良くなった。
(8)社員募集で困らなくなった。
等々の報告があり、とても嬉しく思いました。
これまでも、多くの経営者の人たちが掃除見学に来社され、中には、研修にこられた人たちもいました。そして、大半の人は、「掃除の素晴らしさがよく分かりました。明日から掃除を始めます。」と言って帰られます。
しかしながら、「そのうち」「道具を買ってから」「いっきに」「部下を誘ってから」という思いだけで、実際に掃除を始められた方は少なく、尚且つ、継続される方は、ほんの少数のようでした。
岡崎社長の素晴らしいことは、「今すぐに」「自分から」「できるところから」と行動を起こされ、今のような素晴らしい会社へのスタートとなりました。
確かに、岡崎社長も、最初からスムーズに行った訳ではありません。最初は一人から始め、幹部の人たちを巻き込みながら忍耐強く続けてこられた結果、今では全社員が当たり前のように掃除に取り組んでくれる社風になった、とのことです。
どれだけよい事であっても、知っているだけで終わっていては、何も変わりません。まず自らが行動を起こすことで、次への変化が始まっていきます。最初の一歩が踏み出せるかどうかです。確かに、世の中の素晴らしい製品を見ても、総ては幼稚なところから出発しています。
私たちは得てして、行動を起こす前に、「そんなことをしても効果はない」「もう結果は分かっている」「過去にも同じことをしてきた」「面倒なことはしたくない」等々と理屈を付けて、スタートを切ることができず、永遠にチャンスを逃がしていることが多くあります。
「ゼロから1への距離は、1からの1000までの距離より遠い」。この言葉は、祖国を持たなかったユダヤ人たちが、長い迫害の歴史の中からつかみ取った格言だと聞いています。
例え、最初は幼稚なレベルであっても、その積み重ねが大きな差となっていきますので、いいと思ったことを、思った時から、自分なりに挑戦していってください。