ハインリッチの1:29:300の法則とは、アメリカの技師ハインリッチによって、導きだされた法則です。労働災害の事例を統計的に分析した結果、重大災害発生を1とすると、その下には軽度の事故が29件発生し、さらに、ヒヤリまたはハットとしたことが300件起きている。そこで、大事故を未然に防ぐためには、身近に感じる、ヒヤリ・ハットしたことを見過ごすことなく処置していくことで大事故を防ぐことが出来る、という経験則から導かれたものです。
これは、逆に素晴らしい成果を導く法則にもなります。大きな成果を1つ生むには、29の目に見える改善が必要であり、その下には、当り前のことが当り前に行われている風土があるところから生まれる、とも言えます。
確かに、素晴らしい会社に行きますと、雰囲気からして違います。その雰囲気こそ、当り前のことが当り前に行われていることとから醸し出されています。例えば、社内外が整理整頓され美しい。社員の人たちの服装や身だしなみがキチンとしている。社員の人たちの動作が機敏でハキハキしている。トラブルへの対応が敏速である。約束やルールが守られている。話しを聞く態度がよく、言葉使いが丁寧。人材教育が大切にされている等。このように、当たり前のことが当たり前として定着し、大切にされています。
過去に、私達の会社で大きな事故や問題が起きたことがあり、その時、「あなたの会社は素晴らしいことをしているのに、どうしてこんな事が起きるのですか」、と聞かれたことがありました。そうなのです。この「ハインリッチの1:29:300の法則」を知らなかったからです。確かに、見えることばかりに目が行き、小さなことを疎かにしたことが、その原因でした。
鍵山相談役の言葉に「できそうもない大きなことばかり追いかけるよりも、目の前の小さなことを少しずつでも積み重ねていけば、とてつもなく大きな力になります。小さなことを疎かにする人は、大きなことにも鈍感になります」とあります。
ナカヤマ・グループの今年の課題は、「全社員が小さなことを意識して実行すること」です。そうすれば、必ず素晴らしい会社になります。