~掃除道に生きる~田中義人ブログ

  • 中国に負けない、日本の品質づくり

    2009年12月01日

    先日、第三回中国済南掃除に学ぶ会に行ってきました。中国の済南市は人口750万人の都市で、この世界不況の中にあっても、砂埃で空が曇るほどの工事ラッシュが続いています。毎年行く度に街の景観が変っていくのに驚き、また、車が急激に増えていることにもビックリしました。

    もう一つ驚いたのは、清掃学習会の会場となったハンセン国際貿易研修センターでのことです。このハンセン国際貿易は、日本に研修生を斡旋している会社ですが、今年から日本の技術者の受入業務を開始したので、ぜひ紹介してほしいとのことでした。それも40もの職種に及び、年俸は一千万円以上とのことでした。

    近年、中国は世界中から最先端の設備を導入し、生産工場を増設していますが、品質で困っているようです。その一例として、トイレ掃除をする時に気付くことですが、普段見えないところを覗いてみると、手抜きかと勘違いするほどの雑な仕上げになっていたり、製品の粗悪性には辟易することがあります。その点、日本製は、どこから見ても品質がしっかりしていて安心して使うことができ、長持ちすることから、中国でも日本製への信頼度が高くなっています。

    また、中国のデパートやスーパーに行くと、お菓子でも日用品でも、日本語の入った商品の多さに驚かされます。現地の人にその訳を聞きますと、「日本製は品質がいいとみんなが認めているので、中国で作られた製品であっても、日本語を入れるとよく売れる。」とのことでした。

    そこで、中国でも「世界一流の品質」を作るために、日本から優秀な技術者をスカウトして品質の向上を計りたいとのことでしたが、果たして、本当にそれだけでうまくいくのでしょうか。

    以前、イスラエルから来社された方が、「イスラエルでは、世界最新鋭の設備をもって物づくりをしているが、どうしても日本には勝てないところがある。その理由が、この会社に来てよく分かった。」と言われたことがありました。

    それは、日本人の持ち味があるからです。日本人は元来、農耕民族として定住地で生活してきました。その為、「天災や人災があったとしても、総てを受け入れ、互いに助け合い、衆智を集め改善していこうとする国民性」を持っていることが、日本製品の品質の高さを作ってきた原動力だと思います。この日本的精神が、今回の世界不況を乗り越えていく力となるものと確信しています。互いに助け合って頑張っていきましょう。

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