ハーバード大学が、75年間に渡って、724名の人たちの10代後半から現在までの 「幸福と健康の持続に本当に何が必要なのか」 を追跡調査した報告書が話題になっています。
その対象者の724名は、二つのグループから選ばれました。1グループは、ハーバード大学の2年生、268名。そして、もう一つのグループは、ボストンの貧民街で育った少年たち456名です。そして、現在までの75年の中で大半の人たちは亡くなりましたが、現在も90名の人たちの追跡調査が行われています。
当初、若い人たちに、「幸せになる為に何が必要か」 を問い合わせた時は、80%以上が、富(お金)を得ること、そして同時に、50%の人たちが有名になること、と答えました。しかしながら、この75年の追跡調査の結果、実際に富を得た人、有名になった人たちが必ずしも幸せではなかったのです。
では、富でも名声でも、がむしゃらに働くことではなく、何が大切だったのか、それは「よい人間関係を築いた人たちが幸せだった」との結果でした。
このように、よき人間関係づくりを求めた生き方は、よき縁を生み、前向き思考をつくり、仕事も呼び込み、結果、ある程度の富も得られるようになります。そして、このような生き方をしていますと、精神的ゆとりも生まれ、心身ともに健康体となって、会社や地域の人たちとの人間関係もよくなり、なによりも家族との人間関係にも恵まれた人生となります。
以上のようなハーバード大学の長期調査から、「よき人間関係づくり」を築いてきた人たちが、人生を幸せに過ごすことが出来たことが分かってきました。
しかしながら、「本当に幸福な人生は、良好な人間関係を築くこと」と頭では分かっても、実際、その考えを日々の生活に活かしているかと問われると、そうではないことが多々あり、「分かっているけど出来ない人たちが大半」です。まして、そのことを指摘されて素直に直せる人は皆無だと思います。
では、どうすればいいのでしょうか。それには、日々の生活の中で気づきの場を持つことだと思います。それが、「掃除」です。
人間は見ているものに影響を受けていきますから、掃除を続けている人は、(1)汚れや小さなことに気が付くようになります。(2)気づかいが生まれ、汚さなくなり、マナーがよくなります。(3)物を大切にするようになります。(4)人間関係を大切にするようになります。(5)自分を大切にするようになります。
このように、毎日の掃除の繰り返しが、無意識の内に、気付きを高め、自己を見直し、自己を磨くこととなります。総ての人間関係づくりの基本は、自らを正すことから始まります。