今、世の中は、米国のサブプライムローン問題に端を発し、住宅・金融不況が起こり、世界同時不況への道を歩み始めました。これは、実需経済から離れ、お金がお金を生む仮想金融市場とも言える市場を、世界中に広げた結果、最後に売るところがなくなり、行きついた先に起きた現象ともいえます。ある意味、国際的な金融ねずみ講の終焉といえるのではないでしょうか。
米国を始めとする世界各国は、その後処理に、国家予算を投じて救済に入っていますが、余りにも莫大な予算には驚かざるを得ません。
では、これから私たちの生活は、どのように変わっていくのでしょうか。まずは、今から17年ほど前に起きた日本のバブル崩壊後の現象が、世界的規模で起きるのではないか、ということです。あの時は、まだ隣国である中国の経済成長があったので、日本はそれに助けられてきました。しかし今回は、世界中を巻き込んでいますので、外部から助けられる要因はありません。心配なのは、直接消費の戦争が起きることです。
いずれにしても、世界の経済を引っ張ってきた米国は、急速に力を弱め、国内不況とドル安に動くものと思われます。その影響は、高級車、工作機械、半導体部品等を輸出していた日本経済を、より一層悪化させます。一方、一般消費財を輸出していた中国経済も打撃を受け、世界が同時不況への道を歩み始めるのです。
世界同時不況により、日本企業の収益悪化は顕著となります。特に、中小企業の損益分岐点は、資源高もあって最高に達しており、少しの売上減でも赤字経営となる体質になっています。このことから、倒産、縮小、合併、廃業が、急速に進むものと思われます。
そしていよいよ、“毎年昇給があり、賞与が出されていた時代” は終わり、賞与は業績配分となって、実際には賞与が出ない企業が続出し、昇給ではなく減給となる企業も増えていきます。
このように日本は、経済の不振と相まって、財政破綻と少子化から大変な時代に突入していきますが、人間の歴史はこれで終わるのではなく、今までの金融拡大主義の時代が終わり、これからまた新しい時代が始まるのではないでしょうか。
この問題を、一人一人がどう受け止めていくのか、真剣に考えなければならない時となりました。