~掃除道に生きる~田中義人ブログ

  • 受注生産型企業の利点と欠点

    2009年11月01日

    企業形態には、「見込生産販売」と「受注生産販売」の二つがあります。

    見込生産販売形態の企業は、一般的に不特定多数の客先を有し、自社の判断により生産販売量や売値も決めることができます。その為、生産も計画生産で行うことが出来ます。ただし欠点として、市場での売れ残り、過剰在庫を抱えることもあり、常に市場の動向を考えながら経営をする必要があるため、市場動向を読み違うと大変なことになります。このような形態の会社は、最終ユーザーを持っている家電・車メーカーは勿論、お菓子、食品メーカー、スーパーや量販店なども含まれます。

    一方、受注生産販売形態の企業は、一般的に特定の客先を有し、客先の発注に応じて生産販売量が決まるうえ、売価も客先との交渉により決まります。その為、常に客先の発注状況により計画変更が余儀なくされ、生産計画が定まらない欠点があります。ただし利点として、市場での売れ残りを心配することなく、過剰在庫が少ないことがあります。このような形態の会社は、建築や土木を始め、弊社のような部品メーカー、下請企業、協力企業など、比較的中小企業に多くみられます。

    ナカヤマ・グループ三社も、受注生産形態の経営で、常にお客様のよきサポート役として今日まで経営を続けてきました。それゆえ、受注生産形態の経営の成長は、お客様の成長とリンクしていると言っても過言ではありません。

    最近、受注生産形態の企業の多くが、昨年来の不況から受注減となり、人員削減等で生産規模を縮小したために、客先の特別な要望に応えられない状況が出ています。その為に工程の混乱と納期遅れをきたしておりますが、これは受注生産形態の企業的宿命でもあります。

    そこで、受注生産形態の経営として基本となることを、ここに記しておきます。
    1) 自社の経営は受注生産形態であり、常に仕事の増減・特急があることを自覚すること。
    2) 24時間フル体制をとることなく、常に余裕時間をもって仕事を行う必要があること。
    3) 自社の生産工程で、全体の生産量を左右する部門の負荷状況を数値管理し、先手を打つこと。同時に、客先の発注内容に合った工程改善を常に行うこと。
    4) 仕事の受注増減に応じて、仕事体制、シフトの組み替えを積極的に行うこと。
    5) 社員の多能職化を推進して、誰もがネックとなる部門に24時間体制で入れること。
    6) 受注状況に合わせ、協力会社とも連携をとり、バイパス運営を心がけること。
    7) 設備トラブルが納期遅延を発生させるので、日常点検を兼ねた掃除を徹底すること。

    ただし、受注生産形態の経営は、どこまで行っても客先納期日を優先するために、納期調整による担当部門の人の苦労は計り知れないものがあります。それゆえ、受注生産形態の会社の盛運となるキーワードは、「互いに協力し合える社内体制」と「不良率を少なくすること」です。これにより、不思議と受注動向にも柔軟性をもって対応できるようになっていきます。

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