~掃除道に生きる~田中義人ブログ

  • 尖る(とがる)

    2014年11月01日

    東海神栄電子工業の斎藤忠芳顧問が、最近よく、「尖ってことに当たれ」と言われますが、正にその通りであります。

    「尖る」という言葉は、錐(きり)のように一点に集中して手もみすることで、小さな穴をあけていく行為を指しますが、一点に集中して真剣に取り組む姿勢が、部下のやる気を呼び込む大きな原動力となり、例え小さな穴であったとしても、それが誘いとなり、大きな広がりとなって事態を変えていきます。

    確かに、素晴らしい経営をしている会社の共通項として、会社の理念に沿った「尖った実践者」がいることが挙げられます。

    例えば、掃除を導入して成功している会社のトップや幹部の人たちは、一般社員より早く出社して掃除をしています。中には、毎朝4時半から掃除をしている人もおり、2時間、3時間は当たり前で、最低でも1時間以上しているようです。

    また特に、問題を起こしている部署では、トップや幹部が誰よりも早く出社し、社員を巻き込んで整理、整頓、清掃を徹底して行う事で、潜在した問題の発見、改善に取り組み、再発防止に繋げる橋渡しをしています。

    たかが掃除と侮らず、「尖って取り組む」ことによって、素晴らしい職場に転換させる力を秘めています。


    掃除を尖らせることにより、独自の品質・技術レベルを高め、その上に、専門技術に特化した「尖った人財」に活躍の場を与え、新天地を開いている会社も出てきています。

    ナカヤマ・グループでは、私自身が「尖った実践者」として、秀観塾を立ち上げ、定着させることが出来ました。自分勝手でまとまりのなかった社員の人たちに泣かされた私は、寝泊りを共にしながら土・日の一泊二日の研修を断行し、皆と語り合ってきました。そして10年後には、社員の自主運営に切り替え、現在まで続いていますが、その間、反発した人たちが退社しました。

    掃除導入に関しましても、当初、赤字の(株)中山理研を立て直す為に導入しましたが、時間外での掃除に抵抗され、時間内での掃除から始めました。また、食事付の掃除見学会に何度も連れて行き、納得してもらうまでが大変でしたが、今ではグループで一番綺麗な職場を維持してくれています。東海神栄電子工業(株)でも、バブル崩壊で仕事が急減していく中、中高年の人たちを中心に休日掃除を始めましたが、その際、反発する若手社員が大量に退社していきました。

    今、ナカヤマ・グループは、世代交代期に入っています。会社をよりよくしていくために、後継者、幹部の人たちは、理念に沿った「尖った実践者」になってください。机に座ったまま、部下に何度「尖れ」と叫んでも、部下は付いてきてくれません。部下は上司の行動を見ています。「なってほしい社員像を、何倍もの熱意と実践を持って示していくこと」に尽きると思いますので、幹部は率先垂範し、「きり」のように風穴を開け、光を見せていくことだと思います。

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