掃除を始めて24年の歳月が経ちますが、その間、多くの人たちが掃除研修に来ました。中には、1週間~2週間泊まり込みで来た人、毎月定期的に早朝掃除に参加した人、火曜日の市神神社での定例トイレ掃除研修に一年間来た会社、そして、海外からの視察団も多く来られました。中には、前泊して早朝掃除に始まり、午後まで研修される海外視察団もあり、そのご縁から、ルーマニア、イタリア、ハンガリーへと掃除が広がって行きました。勿論、今でも毎月、何組かの掃除研修は続いています。
そこで今回は、10年以上に渡って一緒に掃除を学んでいる「掃除道ゼミ」を紹介します。掃除道ゼミは、名古屋を中心にした経営者の勉強会「青経塾」有志31名の会員で、理論と実践を交互に年4回開催しております。先日は、名古屋一番の繁華街、錦三丁目のトイレ掃除を行いました。
錦の公衆トイレは、繁華街の真ん中にある為に、その汚れは大変なものでしたが、1時間、しっかりと磨くことで、悪臭も汚れもなくなり、本来の美しさを取り戻し、使う人の喜びを得ることができました。誰もが汚れて敬遠するトイレであっても、精魂込めて磨き上げることで、美しさと同時に、そのものが本来もつ機能を取り戻すことができます。ここに、経営の大きなヒントがあります。
そもそも、大半の人たちは経営が厳しくなってくると、何か新しい商品や手法、そして販路を求めることがありますが、その前に、現状の会社の実態をしっかりと見極めて、今ある経営資源を活かし切っているかどうかを問うことが大切です。その為に、徹底して職場の環境整備をすることで問題点が見えてきます。
このように田中ゼミは、特別に新しいことを求めるのではなく、掃除を通じて今ある経営資源を活かし切ることの重要性を学び、日々の経営に活かすゼミです。
今では、田中ゼミで学んだ人たちから、毎朝、環境整備を行い、一番いい状態で仕事に入ることで、安全で効率のいい仕事が出来るようになり、客先の信頼を得ることができるようになったとの報告も多く出るようになりました。
そしてなによりも、トップ自らが現場に入り、共に掃除を行う事で、現場の問題点も分かり、社員とのコミュニケーションもよくなり、経営に自信を持つ人たちが増えてきました。
たかがトイレ掃除と思うことなく、その掃除の深さを学んでいるのが、田中ゼミです。