この九月末から今月初めまでブラジル掃除に学ぶ会へ行ってきました。今回は日本から11名の参加で、現地の若者たち1700名とでパウリスト大通りを掃除してきましたが、これだけ大人数での掃除大会は日本でもありません。それは壮観でブラジルと日本の国旗を前に両国の国歌斉唱から始まり、開会式の後、全員が整列して各掃除場所へ分かれていく様子は、日本と違い掃除を楽しむという雰囲気でした。
さて、今回は、その中でブラジル在住の日系の人から聞いた話を紹介させていただきます。
ブラジル社会は貧富の差が非常に激しい社会で、失業者が18%、仕事のない人たちが多く、最低賃金が月八千円程度とのこと、通常でも二万円程度の人たちはいいほうとのことでした。勿論、生活必需品は非常に安くて生活しやすくなっていますが、それにしても低賃金の人たちが大半を占めているようです。その反面、大金持ちたちは、桁違いの収入を得て高級な生活レベルを保っていることでした。
そのような中、日系移民の人たちは、苦労して野山を切り開き農園を経営したり、商業に従事されていますが、一様に力を入れてみえるのが、「子供の教育」でした。現在でも、親は自分の生活を質素にしてでも子供たちを大学に通わせている人たちが多く、その具体例としてサンパウロ大学の約20パーセントは日系人とのことでした。
厳しい世の中になればなるほど、人間的魅力(躾)と仕事能力(技術・知識教育)を持ったものほど、実力が評価されることを身をもって感じ、教育投資をされています。
ある日系人の方が「教育格差が、所得格差を生み、貧富の差が、また教育格差を生んでいるから、この社会はますます貧富の差が開いていく」と話されましたが、この話はこれからの日本にとって大切なキーワードになってくると思いました。
今の日本人は、親や会社が、子や社員の人たちに教育の場を提供しても逃げている状況が多く、自己啓発を忘れ、結果を得ることしかしない日本人の近未来が見えてくるような旅でした。