時代の流れは、拡大経済から縮小経済へと、急速に舵取りが変わりました。もう過去のように景気が良くなっていくという期待感は、現実になくなりました。それは、社会の下部構造と呼ばれる経済の地殻変動により、その上に成り立つ、これまでの政治、企業経営、精神文化の変革が始まったことを意味します。
その変化の象徴的出来事は、自民党の結党以来の敗北、高校新卒で就職できない人が20%、経済苦が多い自殺が半期で17000名、年金制度の崩壊、上場企業の工場閉鎖と海外移転、リストラ、取引先再編など。完全に縮小経済から起こることばかりです。日本は、もう拡大経済には戻りません。
特に驚いているのは、高校を出ても就職できない時代が始まったということです。将来を夢見て就職を希望した生徒の20%に職がない。こんなことは、過去にはありませんでした。一方、企業の倒産も身近なところで起きるようになりました。
政治も、民主党が政権をとり、今までとは一変して生活優先政策が導入されようとしていますが、現場では政府の思いとは逆の現象が生じ、経済の混乱がより進むものと思われます。
ただし、一方では、環境、省資源化への一層の取り組み、官僚政治の見直し、優秀な人の登用、精神文化の健全化が進むものと思われます。
そこで、これからの時代を生きていくために、環境変化に振り回されない「自分らしい生き方(自律心)」が、大切になります。ただし、その自律心とは、人に好かれ、人に頼りにされるものでなければなりません。
一度、自問自答してみてください。「もし、会社に半分の人しか残れないとしたら、あなたは、どんな人に残ってもらいたいと思いますか。そして、自分は残れる方に選ばれると思いますか。」 全ては相手が決めます。
このような世の中になることは、以前から分かっていましたので、わが社では、どのような時代になっても、みんなから頼られる人になってもらおうと、一貫して教育を大切にしてきました。秀観塾、全員参加の経営計画作り、早朝掃除、掃除リーダー研修、読書、講演会、МG(マネージメントゲーム)、社内勉強会、社外研修会、資格試験奨励、とあらゆる機会をとらえて行ってきました。
しかしながら、私たちの会社の評価は、お客様が決めます。また、もし会社の業績や自分たちの処遇が低いと思うなら、それは私たちのレベルが低いからです。力量を上げずして力量以上のものは得られません。悔しかったら力量を上げるしかありません。
今、私たちの眼前には、多くの難問が立ちはだかっています。不平不満を言う前に、今一度、自分の壁に挑戦して、一段高いレベルに上がるしかありません。もう足元まで水は迫ってきています。人生で一度は、死ぬほどの努力をしてみる時が今です。人は見ていてくれます。頑張りましょう。