太古の昔、恐竜が餌を求めて争い、その餌を食い尽くしたあげく、環境変化に耐えられなくなり、自らの命をなくしていった時代がありました。そんな時代が思い出されます。
今、世界一のＧМが倒産の危機に陥り、勝ち組と言われたトヨタさえも赤字に転落してしまいました。正に、時代が変ろうとしています。資源を大量に浪費し、大量生産、大量消費を世界中に広めてきたやり方は、限界となりました。その上に、お金でお金を生み出す金融商品をつくり、人間のエゴから実態経済の何十倍もの仮想市場を作ってしまいました。
今年は、行き過ぎを取り戻す時代の始まりであり、それには大きな痛みを伴うことになります。それが、今回の世界同時不況だと思います。
その昔、日本人は、和を尊び、勤勉で、謙譲、謙虚な美徳を備えた国民と言われてきました。それは、農耕民族として自然と調和し、総てを受け入れて生きてきたからだと思います。私たち日本人は、反省することと環境に順応することも早いので、今回の変化に対しても、世界の中でもいち早く立ち直っていくような気がしています。
そこで私は、今回の不況を乗り切り、新しい時代に向かうキーワードとして、「掃除」を提案いたします。
掃除は、相手の汚れを取り去り、そのもの本来のよさを呼び起こすと同時に、その場に集う人達のこころを和ませます。さらには、自分自身の汚れも取り去り、自分らしさをも取り戻すことができ、人も組織も根底から変える力があります。
よく、今回の不況には打つ手がない、と言われますが、それは目新しいことを求めるからです。そうではなく、私たち中小企業は、自分たちの手にある経営資源を磨き上げ、そのよさを引き出し、活かしていくならば、必ず新しい変化が見えてくると思います。
今年こそ、徹底して職場磨きと自分磨きをし、新しい時代を迎えようではありませんか。
