~掃除道に生きる~田中義人ブログ

  • 滝つぼに落ちた日本経済

    2010年02月01日

    一昨年のリーマンショックから、世界経済は100年に一度と言われるような不況に陥りました。そして1年が過ぎ去る中で、今回の不況は、単なる景気循環による不況ではなく、資本主義そのものの行き過ぎによって生じたものであり、経済の再生には多難を要する、と考えるようになりました。

    一方、政治の世界も政権交代となり、新しい政治が始まるかのように見られましたが、その実態は、選挙に勝つことを目的とした人気とり政策ばかりで、旧態依然とした政治体質は変わることなく、益々混迷の度を深めていくように思われます。

    そこで今回は、この混迷した中での経営の舵取りについて述べたいと思います。これまで日本経済を引っ張ってきた、自動車、電機、電子機器、工作機械等の産業は、まるで、突然、巨大な滝に出会い、川底に落ち込んでしまった船のようです。そして今、この滝つぼの中で、何が起きているのか分からずにもまれている状態ではないでしょうか。おそらく年末から来年にかけて、その滝つぼからポッカリと浮かび上がってくるものと思いますが、その時が問題なのです。

    実はここに、3タイプの船が見えます。バラバラになった残骸と共に下流に流されていく船、次に、船の形は残っているものの、乗船者たちはフラフラで設備も故障したまま流されていく船。そして、浮上と共にエンジンが始動し、自ら進路をとって進む船の3つです。

    私たちは、この滝つぼから浮かび上がった時、エンジンをフル回転させて新しい世界に向かって進める船でありたいと思います。

    滝の下流には、広大な世界が見えます。鳩山総理も話しているように、新東アジアの時代です。そこには19億人の市場が生まれ、最適地生産、最適地販売の流れにより、一般消費財の生産は、日本からアジアへ急速に移管され、国内での空洞化は避けられません。しかし、これら一般消費財を製造する設備や部品の多くは、日本から輸出され、これら産業機器分野の復活が始まるものと思われます。

    そこに、東海神栄電子工業としての活路があります。一般消費財を製造する設備産業や、エコ、環境、介護、省力化機器は、益々需要が伸びていきます。そして、それらにはプリント基板が使われます。また、その製品分野は、中小ロットで、多技にわたって高品質、高技術が要求される中小企業の分野になると思われます。しかし、今までのように、ただ物を作ればよいという企業体質では生き残ることはできません。規模は小さくとも、自社に合った生産・経営管理システムを持ち、生産設備、検査設備が完備され、社員の意識レベル・品質技術レベルの高い会社のみが、次の時代に進むことができるのです。

    我が社は今、滝つぼのウズの中にいますが、その先を見ての対策を取っています。その為に、一昨年から近年にない多額な設備投資を続けていますが、総ては、次の時代を見据えての投資なのです。

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