雑草が伸びるのは本当に早いもので、我が家の庭も、あっと言う間に雑草で覆われ、毎年春から夏にかけては、雑草との格闘の日々です。そんなある日の出来事です。
私の妻は、時々ホームセンターで、美しくてかわいい草花を買ってきて庭に植えるのですが、すぐに雑草に埋もれてしまい、その存在すら分からなくなってしまいます。
ある日のこと、庭師に手入れをしてもらったのですが、その庭師は、雑草と一緒に大切な草花まで刈り取ってしまいました。悲しんだ妻は、今後、草花の見分けがつかない庭師には、もう頼みたくないということになり、結果、私が庭の手入れをすることになりました。しかし、雑草を手で１本１本抜いていくことは到底できません。そこで、一部を残して、大半は草刈鎌で刈り取ることにしました。
しかし、「気のむくまま」に草花が植えてありますので、雑草に埋もれた中、一体どれが妻の植えた草花なのかを見分けることが難しく、ついつい私も刈り取ってしまいました。
「あんなに可愛い草花を刈り取ってしまうなんて・・・」と妻に叱られ、しばらく口も聞いてくれませんでした。その時は一瞬、妻の気持ちももっともだと思いましたが、何か納得が出来ませんでした。
実はこの時、大変な事に気が付きました。それは、いくら高価な草花を植えても、普段から手を入れていない人は、現場が分からないため、理屈で人を責めてしまいます。そして、その理屈が一見正しく見えれば見えるほどに、より混乱を生むことになり、現場の人たちの気持ちをそぐことにもなります。
それと同時に、大切に植えた草花も、十分に育つことが出来ず、本来のよさを発揮できずに終わってしまうようです。これでは、人の心も草花も、双方をダメにしてしまいます。
これは会社も同様で、トップが、現場を知らずして、間違った指示を出すことにより、現場が混乱し、やる気をそいでしまうことと同じだと気がつきました。
その点、日々の早朝掃除は、トップ以下全員が現場に入り、よいことも悪いことも肌で知ることができるので、適切な意見が交わされ、人も設備も製品も活かすことができる最高の業だと思いました。
