今回の民主党代表選挙で野田佳彦氏が選ばれ、総理大臣に就任することになりました。代表に選ばれた時、「ノーサイドで行きましょう。」と語っていたことが印象に残っています。
今の日本の政治の低落度合いは、あまりに酷いものであり、国民不在の派閥政治となり、与野党ともに枝葉論争、足の引っ張り合いで、この国難へ対処できないものとなっています。管前総理にしても、野党の時の批判論戦には強くとも、いざ当事者として国政の対場に立ったとき、その無策ぶりと思いつき政策には辟易してしまいました。まして民主党内では、小沢派と反小沢派が足の引っ張り合いをし、彼らの利害により国政を動かそうとしていたことは、国民を愚弄していると言わざるを得ません。
被災された東北の人たちは、暴動を起こすことなく、政府への抗議デモを決起するのでもなく、今回の災害を受け止め、何とか復旧、復興に向かおうとしています。それなのに、なぜ政府は、もっと真剣に東北の被災地の人たちへの具体的な支援ができないのでしょうか。これでは、あまりにも被災地の人たちがかわいそうです。
特に、あれだけの組織力を持つ小沢一郎氏は、自分の地盤である東北の人たちのために、行き過ぎると思われるほどの東北復興への情熱を燃やしてもよいのに、その活動が見えてこないことが不思議でなりません。今こそ政治家は、党利党略を離れ、政治家として、これからの日本国をどのように復興していくかのプランを示すべきです。
自然エネルギーの活用も勿論必要ではありますが、それ以上に、これからの日本の国家構想をつくる中、東北の都市づくり構想を早く打ち出し、そこに自然エネルギー活用や放射能汚染除去活動を取り入れて、将来の生活が見える構想が必要ではないでしょうか。
本来、政治家の仕事は、常に社会の将来像や理念を語り、その方向性を示し、それでいて現場の問題点を整理し、問題は問題と示し、痛みを伴いながらも改善の方向を示し、バランスを保ちながら、理想社会実現のために、修正、成長させていくことだと思います。それが、国民の人気取りのために問題を先送りして、苦痛を後世に繰り延べていく政治であってはなりません。
理念を忘れ、己の利害によって結束した集団は、ガン細胞のようなもので、大きくなればなるほど、最後には国を滅ぼす元となります。企業で言えば、本来の目的を忘れ、利益拡大のみを求めて膨張していくことと同じであり、もうそんな時代ではないことを知ってほしいものであります。
最後になりましたが、今回代表に選出された野田佳彦氏は、松下政経塾の出身であり、浪人中に、志ネットワークで何度もお会いしていましたので、とても近い人です。国政のトップに立った野田総理に期待したく思っております。