今年も夏の甲子園が近づいてきました。先日、朝日新聞に、甲子園進出の沖縄の美里工業高校と岩手の花巻東高校の記事が出ていました。それは、私が長年、社員の人たちに伝えてきたことと同じでしたので、とても嬉しくなりました。
まず、沖縄の美里工業高校の野球部は、朝7時に、グランドではなく教室に集まり、朝勉を始めます。そして全員が国家資格に挑んでいるそうです。神谷監督の「野球しかやっていません、じゃだめ」は、その言葉を私流に直すと「仕事だけできても、ダメ」です。一事が万事、野球もできるが、勉強もできる人、に育てることが、本当の人づくりです。
ナカヤマ・グループは、資格取得、読書、研修会、講演会を無料にして、そしてできる限り、支援金も出して応援をしています。それは、社員の人たちに、仕事も出来て、技術力も持つ人材になってほしいからです。
続いて、岩手の花巻東高校は、毎朝、グランド脇のトイレ掃除をしてから練習を始めます。佐々木監督は、「最も試合を左右するのは投手。ピンチを乗り越えられる力がなければいけません。他人が汚したトイレを掃除するのも同じです」と話され、特に投手にはトイレ掃除をさせているそうです。そのことで、苦しいこと、嫌なことから逃げない精神力を付けることができ、東北大会を初制覇できたそうです。
ナカヤマ・グループは、この20年間、掃除に力を入れてきました。それは、職場環境を美しくし、安全で効率のよい場にすると同時に、社員の人たちの人間的成長を願ってのことです。掃除を通じて、物を捨てなくなり、汚さなくなり、マナーが良くなりました。そして、物を大切にするようになり、仲間を大切にするようになりました。
人は、素晴らしい潜在能力を持って生まれてきますが、大半の人たちは、その能力を十分に発揮、成長させることなく人生を終えてしまいます。各自の潜在能力は、小さな事にも気づき、目先損得勘定を捨て、人に喜ばれることに生きがいを感じた時から開花し、発揮されていきます。そして何よりも、問題から逃げることなく経験を積んでいくことで、潜在能力が一つ一つ花開いていくのです。
そのことを具体的に教え導いてくれているのが「掃除と教育」です。それは、私自身が、この20年間信じて行ってきたことから、確信を持って言える言葉です。