~掃除道に生きる~田中義人ブログ

  • 竹ひご飛行機

    2008年07月01日

    中学生の頃、竹ひご飛行機作りが、よく流行ったことがありました。作ると言っても、町のおもちゃ屋さんで飛行機セットを買ってきて、中に入っている竹ひごを、ろうそくの火であぶって曲げ、小さなアルミヒューム管で固定し、その後、障子紙を貼り付けて完成です。そして、先端にプロペラを取り付け、ゴムひもを動力としてプロペラを巻いて飛ばします。

    しかしながら、作った人によって、よく飛ぶ飛行機と、すぐに墜落したり蛇行して飛んでいく飛行機とバラバラでした。私の場合は後者で、何度作っても、まっすぐ飛んでいくことはありませんでした。

    とても悔しくて、どうして飛ばないのか先生に相談にのってもらったところ、「田中君、セット袋の中の図面通りに作りましたか?」 と聞かれたので、「図面は見ずに作りました。」 と言いましたら、「それでは、ダメだね。一度、図面通り作ってみなさい。」 とアドバイスをもらいました。

    早速、図面通りに、竹ひごを寸法に合わせて曲げ、心棒の棒の寸法も図面通りにして作ってみました。そして、広場で飛ばしたところ、それは見事に大空を真っ直ぐに、遠くまで飛んでいくではありませんか。その後を追っかけて行った時の感動は、今でも忘れられません。

    何の為の図面だったのか。それは、竹ひご飛行機セットのメーカーが、長年の経験から、誰が作っても、よく飛ぶ飛行機になるような寸法図面として完成していたからで、その通り作ったらよかったのです。

    実は最近、会社で、同じようなことに気づきました。現場の人たちは、一生懸命に仕事をしているのに、思わぬ不良品が発生したり、品質にバラツキが出ていたのです。必ず現場には、仕事を進める上での作業要領書、作業規準書、設備管理チェック表があります。しかしながら、仕事の慣れから、上記三点を確実に確認しながら仕事をしている人は、少ないように見えました。中には、自分勝手なやり方で仕事をしている人もいました。

    企業にとって、作業要領書、作業基準書、設備管理チェック表とは、よい品質の製品を作るため、長年に渡って、現場の人たちと共に、苦労して作り上げてきたノウハウが蓄積された財産でもあります。この財産ともいえる、作業要領書、作業基準書、設備管理チェック表を、今一度、全員が見直して改善し、遵守していくことが出来たならば、品質の一段の向上と安定が得られるものと思っております。

PAGETOP