今年も、6月5日~10日まで、ルーマニアでの公共5S大会(掃除大会)に招待され参加してきました。参加者は、私たち夫婦と、清水徹さん、本間滋さんの4名です。
5日の午前10時30分に、中部国際空港セントレアからヘルシンキ行のフィンエアー航空で出発し、ヘルシンキ経由でミュンヘンに行き、そこからさらに乗り換えて、クルジナポカ国際空港に着いたのは、深夜の1時30分でした。延べ22時間もの長旅です。
6日は、午前9時から石井喜三郎ルーマニア日本大使を迎えての開会式となり、石井大使から、日本文化と日本の現状の話があり、参加者に日本を知ってもらう良い機会となりました。その後、改善モデル企業としてのロッタプリントへ企業見学会に行きました。
ロッタプリントは、成長が著しく、改善活動による整理整頓と社内の見える化などの職場管理が、社員の手で、日本でも見られないほど高レベルになされていたことに驚きました。その後、ホテルに戻り、日本側のプレゼンを行いました。
7日は、クルジナポカ市内のクルジコスバックナショナルカレッジ(小・中。高一貫校)にて、第三回目の掃除大会となりました。この学校は、ロッタプリントのロッタ社長が、この三年間、毎月、学校へ出向いて掃除活動を続けてきたことで、校長以下教職員の信頼も厚く、開会式には、高学年の生徒150名が集まり、歓迎の式典を繰り広げてくれました。
そして、その後の掃除実習には、小学生からの参加となり、約500名がトイレ、廊下、教室、階段、校庭、体育館のペンキ塗りと、一大イベントとしての取り組みとなり、大変盛り上がりました。
8日は、次の開催地のオラディア市での大会です。昼過ぎに市庁舎に到着しましたら、もう議員、病院、警察、教育、企業、市職員と幅広く多くの人たちが集まっていました。オラディア市長は、厳しい財政の中で、職員を1000人から300人減らし、その浮いた費用で橋を作るなど、市民のための行政を行っていることで、ルーマニアでは有名な市長です。
そこで、市長として、市民の人たちに受け身になるだけではなく、市民の人たちにも街づくりに参加してもらいたいとの思いがあり、今回の掃除を通じた公共5S大会を開催したと話されました。その思いが通じ、9日の掃除大会には、当初、予想した倍近い、90名の人たちが参加しての掃除大会となり、大いに盛り上がりました。
ルーマニアもそうですが、海外では、掃除は自分たちで行うことではなく、身分の下の人たちが行うものである、との気持ちが強い場合があります。
しかしながら、地位や職業、貴賎に関係なく、全員が下座に降りて、共に自分たちの学校、公園を美しくすることで、その場が美しくなり、本来の姿を表した時に、その作業に携わった人たちとの共同意識(コミュニケーション)が生まれます。
そして、その場への愛着も生まれ、笑顔となっていくことの体感は、万国共通のことでした。
今回も、そのお手伝いをさせていただけたことに感謝し帰国することができました。