昨年末からの世界同時不況の波は、いよいよ弊社にも押し寄せてきました。昨年の秋までの多忙時とは打って変わり、11月から受注が急落するも、あるお客様に助けられこの2月まで頑張ってきましたが、3月以降、前年比35%以上の落ち込みとなってきました。
正に経営者の真価が問われる時となってきました。今こそ、あたふたすることなく、しっかりと先を見定めて経営の舵取りをしたいと思っております。
特に、これまで何を大切にして経営を続けてきたのか、失ってはいけないものと一時的には手放してもよいもの、をしっかりと見定めることが大切だと思います。愚の骨頂は、目先の損失に慌てふためき、社内の活力をなくし、人財をなくすことであります。今こそ、この難局に全社員一丸となって立ち向かい、一つ一つ風穴を開けて行くときではないでしょうか。
確かに、この間の資金流失は、過去にないほどの額になって行くものと思われますが、その資金流失に見合うほどの成果をつくることも可能だと思います。それは、この危機の時こそ、経営者は会社の理念と方向性を明確に示し、社員の賛同を得ることの出来る絶好のチャンスでもあるからです。そして、人材育成のチャンスでもあり、全員一担当体制での全員経営と、徹底した環境整備と人間関係の最良環境づくりを行い、人も設備もピカピカに磨き上げることもできます。そのために弊社では、雇用調整休暇を取り入れながらも、今まで取れなかった時間を技術品質教育、コスト教育、人間教育にかけています。
そして、一方では、将来を見越しての新規客先開拓と、既存のお客様への信頼性を高めるためにも、昨年末に完成したNCセンターの充実と社内設備の見直しを行い、この6月には追加投資を行って、強い体質を作りたいと思っています。
このように、激変の時こそ、時代の波に流されつつも重心をより下に降ろし、地に付いた小さな改革を積み重ね、質的変化を起こして行くときではないでしょうか。
そして後日、あの時はやるだけのことは精一杯やった、と言えるようにしたいものです。その点からも、経営者の資質が問われる時代でもあり、自らの生命を掛けても惜しくない時代に入ってきたと思います。