10月16日の土曜日、恵那市立明智中学校で「廊下ピッカピカ掃除大作戦」を開催することができました。
当初、6月の大正村掃除に学ぶ会実行委員会では、コロナ感染拡大防止の為に、今年も開催しないことに決まりました。しかしながら、長年、大正村掃除大会の中心的役割を果たしてきた明智中学校として、昨年に続き今年も中止となることで、掃除活動の伝統が途切れてしまうことを心配された安藤校長、渡邉教頭から、中学校単独でも出来ないかと相談がありました。
確かに、地元でも長年続いてきた伝統行事の多くが中止となり、このコロナ禍を切っ掛けに、行事がなくなっていくことが危惧されております。
一方、コロナ禍の中であえて行う事には問題もありますので、この状況で開催できる良い方法はないかと学校側と協議を重ねてきました。
特に問題となるのは、三密(密閉空間・密集場所・密接場面)です。そこで今回は、その三密を避け、トイレではなく風通しのよい廊下を等間隔で掃除することになりました。約100名の生徒の参加が予想されましたので、2階、3階の廊下を2班に分け、一人1.2m間隔で、延べ120mを掃除していきます。
当日、開会式は、9時から各教室に分かれてZOOMで行い、その後、指定された掃除場所に移動しました。9時30分からの約30分間、リーダーの指示に従ってナイロンタワシに石鹸を付け、雑巾で拭き上げながら汚れを徹底して取り去ります。
次に、乾燥した雑巾で水分を取り去り、ウエスにワックスを付けて4回塗り重ねていきます。一回塗るごとにウチワであおいでワックスを乾かしますと、塗り重ねる都度に光沢が生まれ、4回目が終わる10時40分頃には自分達が映るほどの輝きとなりました。
そして最後に、道具の片付をして廊下を見た時、光り輝く廊下にみんな感動し達成感を持って終えることができました。美しくなった廊下を汚したくないのか、気を使いながら教室に戻って行く生徒の姿に感動いたしました。その後、生徒たちは各教室で感想文を書き、体験発表をした後で閉会となりました。
大会終了後に全員の感想文が届きました。どの感想文にも体験できた喜びがつづられていました。その中でも、ある生徒の話が印象的でしたので紹介いたします。
その生徒は、まず感想文など書かない生徒のようでしたが、今回は「掃除は気持ちがすっきりしました。理由は、最初は汚れがひどかった廊下がピカピカになって感動したから」と書いて出してくれたのです。普段は教室に入ることができず、保健室にいることが多かったそうですが、みんなと一緒になって廊下磨きに参加したことから、何か気持ちが吹っ切れたように、次の日から急に教室に入ることが出来るようになり、笑顔が戻ってきたそうです。
その様子を見ていた先生から「掃除には、人の心を動かす不思議な力があるように思います」との話を聞きました。本当に今回、掃除大会が出来てよかったです。