最近、毎日のようにSDGsのことが目につくようになってきましたが、私は今年の夏までSDGsを知らずにいました。ある日のこと、小1の孫から「SDGsを知っている?」と聞かれたので「何か、新しいグループサウンズでもできたのか?」と聞き返したところ、「オーパパ(おじいちゃん)達が行っている掃除で、SDGsの11だよ」を言われてビックリしました。それ以降、SDGsの勉強を始めることとなりました。
もう一つ驚いたことは、10月に明智中学校の1年生に掃除の話をする機会があり、二つの質問をしたときのことです。最初に「掃除を大切にしている大谷翔平を知っている人」と聞いたところ、半分程の生徒が手を上げました。次に「SDGsを知っている人」と聞いたところ、全員が手を上げたのです。
SDGsは、2015年9月に国連サミットで採択されたものですが、今では小・中・高校の授業として、子供たちが勉強しているということを知りました。
特に、今回のコロナウィルス感染の世界的広がりと、近年の異常気象から災害が頻繁に起きていることから、このままでは地球が立ち行かなくなるとの危機感が、世界共通の問題として浮上してきました。このことから、国連を中心にして世界的規模での環境問題への取組みが、SDGs(持続可能な開発目標)として始まったものと思います。
さらに、海外でも若い世代の人たちが、将来への危機感から積極的に取り組んでいるニュースが頻繁に流れるようになってきました。
しかしながら、SDGsを学べば学ぶほどに、古来、日本人が大切にしてきた和の文化に共通するものを感じます。
哲学者の森信三先生の「21世紀には、人類の歴史上まさに空前の世界的変化が始まるのではないかと予感される。人類の今後の文化は、現在不当に膨張した『有の文化』である西洋の物質文明と『無の文化』としての東洋文化とが、互いに歩み寄ることによって、そこから新たな文化が生まれ出る可能性が約束せられているかに思われます。日本民族の使命は東西文化の融合に対して、いわばその縮図的原型を提供する処にあるのであろう。」という言葉あります。
今起きている地球規模での大問題は、歴史上、まさに空前の変化の予兆であり、これまでの西洋の物質文明が極限に達し、その揺り戻しから、必然的に自然との調和を大切にした東洋文化への回帰しているのではないかと思います。
その東洋文化を持つ日本人は、自然との調和を大切にし、お互いに助け合い、公的にものを大切にする道徳観を持っています。その道徳観を育んでくれたのが掃除道であったことから、私は、掃除道はSDGsに通じるものだと思うようになりました。