中津川市立落合小学校の西尾校長から頼まれて、7月8日に、六年生22名に掃除の話しをしてきました。西尾校長は、前任校が恵那市立明智中学校で、そこで毎年開催される「日本大正村掃除に学ぶ会」の開催校として協力していただいていました。
西尾校長は、落合小学校に移ってからも子ども達と掃除を行い、校内はゴミ一つなく、下駄箱の靴もキレイに揃えられ、環境整備されています。ついては、日々掃除をしている生徒に「なぜ、掃除は大切なのか」を話してもらいたいとのことでした。
そこで今回、パワーポイントを使って、1時間ほど、掃除が及ぼす影響や大谷翔平選手が掃除を大切にしている話などしたところ、生徒たちは真剣に聞いてくれて、質問タイムには多くの質問を受けました。
質問の一つは、「トイレが臭いけど、どうしたら臭いがとれますか」でした。そこで、「それは便器ではなく壁だね。触ってざらとしていたら、汚れの粒子が付いているから、壁を拭いてみてください。」と答えました。帰る時に、念のため校長と担任の先生とで、トイレを見に行って壁に手を当てたところ、ザラッとした感触があり、臭いが付いている事が分かりました。
そこで、担任の先生に、中性洗剤で壁を洗い流して拭き上げてみてください、と伝えました。そのことを、担任の先生はすぐにクラスに帰って生徒たちに話し、翌日、先生と生徒とで、トイレの壁拭きを実行したそうです。その結果、トイレの悪臭はなくなり、「やったー、全然違う、すごい」と見違えるようなトイレに喜んだそうです。
そして、その様子を見ていた他の子ども達も、自分たちの使っているトイレへ行って壁拭きをしたそうです。正に、感動即実行の生徒さんたちで、その感動を学級新聞の「ひろがる」にして届けてくれました。
学級新聞「ひろがる」の巻頭には、「掃除は、周りも自分も変えていく。人間は環境に影響を受けるけれど、環境をつくることもできる。きれいにすることは、本来もっているいい姿を取り戻すことができます。掃除で人は幸せになれます。」とありました。
次に、生徒さんの感想です。
「田中先生は、人間だけに与えられた能力があると言っていました。それは環境をよくする力と、逆に悪くする力もあります。ぼくは、それを聞いて、なるほどと思いました。プロ野球選手の大谷翔平さんも掃除が好きでやっているそうです。大谷翔平さんは、相手が喜ぶことをすると人に好かれ、信用されるようになるから、掃除をやるそうです。だから、ぼくも相手に信用される人間になるために、一生懸命掃除をしたり、環境をよくしたりしようと思いました。」
「私は最初、身の回りをキレイにすることが掃除だと思っていました。でも、田中先生の話を聞いて、掃除をすることで環境だけじゃなく、人の心が変わり、幸せも増えることが分かりました。その中でも一番心に残ったことは、掃除をすることで自然に自分のいい所が出てきて、相手を喜ばせることが嬉しくなり、人とつながれるということです。」
30年間、掃除を続けていますが、子ども達の感性の凄さに驚くと同時に、掃除から素晴らしい学びが得られるものだと、改めて思いました。