~掃除道に生きる~田中義人ブログ

  • 親友との別れ

    2022年10月06日

    (鍵山秀三郎先生、橋本典明さんと共に)

    無二の親友として長年地域活動を共にした橋本典明さんが、病気の為、9月21日、74歳で亡くなりました。

    橋本さんとの出逢いは、今から35年前に始めた21世紀クラブ設立の時からです。21世紀クラブは、恵那・中津川の経営者を中心に「いい生き方を学ぶ会」として発足し、日本中から素晴らしい生き方をされている先生方を招いて勉強してきました。参加者は、経営者・社員のみならず、一般市民の方々にも呼びかけ、地域に根ざした活動でした。

    ちょうどその頃、恵那市明智町では日本大正村運動が盛んな時でもあり、日本大正村は、物より心を大切にする村民参加のボランテイア活動が盛んでした。その点からも21世紀クラブの理念と一致し、橋本さんは日本大正村の中心的メンバーでもありましたので、水を得た魚のように双方の活動にのめり込んでいきました。

    鍵山秀三郎さんを日本大正村に案内した時、その活動に携わっている人たちの純心な心にふれられ、日本に、こんなに素晴らしい精神文化を持った村があったことに感動されました。そして、鍵山さんの「掃除を通じて世の中から心の荒みをなくしていきたい」との思いから、大正村駐車場のトイレを使って「第一回掃除に学ぶ会」が35名の仲間で開催されました。

    それ以降、毎年、日本大正村で開催することとなり、年々参加者が増えて大正村施設のトイレだけでは対応できなくなり、明智小・中・高校の協力を得て、全トイレを使って開催されるようになりました。特に、大正村の人たちが作ってくれるトン汁が大好評で、今でも、あの時のトン汁は忘れられないと言う人たちがいます。

    その後、地元の中学・高校生も全員参加する地域を巻き込んだ一大イベントとなり、毎年500~800名参加の大会となっていきました。そして、参加された方々が地域に帰られて掃除活動を始められるようになり、今では全国108ヶ所、海外に8ヶ国と広がって行きました。

    振り返ってみますに、毎年、日本大正村で学校関係者の協力を得られて開催できたのも、橋本さんがいてくれたからです。兎に角、橋本典明さんは地域への思いが強く、損得度外視の利他の人でした。

    それは、橋本家の血筋から見えてきたことですが、祖父の橋本幸八郎さんは、「恵那の先人30人」の一人として地域貢献で恵那史に残る偉人でもあります。お祖父さんは、明智町で蚕産業を起こし、他に発電所、病院、学校、銀行設立にまで尽力され、町長にもなり地域産業の振興に尽くされました。そのお祖父さんの血が、橋本典明さんにも脈々と流れていたようです。

    そんな素晴らしい橋本典明さんと共に過ごせた35年間、よき思い出となりました。

    鍵山秀三郎先生という人生の師に出会え、その下で共に掃除活動に取り組むことが出来たこと、21世紀クラブと日本大正村のよき人たちに恵まれ「善友は助け合って成長する」の言葉の通り、地域を大切に善循環活動できたこと、そして、橋本ご夫妻と私達夫婦は価値観を共有でき、共に21世紀クラブ活動や掃除大会で各地に行くことは勿論、海外にも一緒に行くことが出来、有意義な日々を過ごすことができました。

    これまでの35年間、よき師、よき友に恵まれ、夫妻そろって地域をよくして行きたいとの志を大切にして過ごすことができました。

    これからゆっくりと、これまでのことを語り合えると楽しみにしておりましたのに、あまりにも早く天に召されしまい、残念でなりません。

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