~掃除道に生きる~田中義人ブログ

  • 掃除で持続可能な社会や会社が生まれる

    2022年12月05日

    今のままでは人間や生物が住めない地球になって行くとの危機感から、何かをしなければと思う人たちが増えてきました。そこで、持続可能な社会を目指して、経済成長、環境保全、社会的包摂の三つが調和した世界を、世界中の人たちで協力して実現していこうとSDGsが始まりました。

    しかしながら、多くの企業においては経済性が優先されるきらいがあり、大切なものが抜けているような気がしております。

    渋沢栄一は「論語と算盤」で、健全な経営とは「利潤と道徳を調和させること」と述べていますが、残念ながら、これまで先人達が大切にしてきた道徳心が希薄となり、自分さえ今さえよければ他人はどうなっても構わない、と言う刹那的な人が増えてきました。

    以前は私も、企業の目的は利益第一との思いで利益を追い求めていました。しかし、それだけでは社員との信頼関係は生まれることはなく、常により多くの利益を追い求めた結果、社員も手段を選ぶことなく楽して利益を求めることなり、体質は悪くなる一方でした。

    しかしながら、1991年11月に掃除道の鍵山秀三郎さんとの出会いから、掃除を社内に導入し、「今を受け入れ、社員と共に今を活かしきっていく」経営に切り替えたことで、人間関係がよくなり、今ある経営資源を大切にしていく社風を築くことができました。お陰で、お金に偏った経営体質から抜け出すことができ、バランスを持った健全経営となりました。

    そして、鍵山さんの心願でもある「掃除を通じて世の中から心の荒みをなくしていきたい」との思いに賛同して、日本大正村で35名の仲間とともに第一回掃除に学ぶ会を開催しました。

    その後、鍵山さんが会長となり「日本を美しくする会・掃除に学ぶ会」が設立され、「掃除に学ぶ」の考えで、健全な人間性を取り戻す活動として、国内はもとより海外にも広がっていきました。今では掃除を通じて会社、学校、地域社会が見違えるように蘇った事例が多々生まれています。

    この30年間、よく世間では「失われた30年」と言われることがありますが、掃除活動に携わってきた体験から、私にとっては「有意義な30年間」であったと思っております。その大きな違いは、経済性に偏ることなく、利益確保はもちろん重要ですが、それ以上に、社員の人間性を尊重し成長を求める全員参加型の経営を続けてこられたからです。

    特に行ってきたことは、地域の経営者仲間達と「いい生き方を学ぶこと」を主旨として設立した21世紀クラブの活動で、私はその事務局を務め、活動には社員も参加していました。また、早朝掃除、読書や資格取得の推奨、社員向け講演会等々を行ってきました。

    そして掃除活動では、地域の幹事会社として、日本大正村掃除大会はもちろんのこと、各地で開催される掃除活動にも、多くの社員と共に参加してきました。

    これらの取り組みのお陰で、会社の風土もよくなり、それ以上に、私自身、悔いのない日々となり、国内外に素晴らしい仲間を得ることができました。これからも、掃除をライフワークとして、地域社会に役立つような生き方をしていきたく思っています。

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