~掃除道に生きる~田中義人ブログ

  • 心の通い合う職場づくりを大切にしていこう

    2022年01月07日

    便利な社会になればなるほどに、私達は何か大切なものを失っているような気がしております。昔の日本人は義理人情に厚く、子どもや親、そして周りの人たちをも大切にする道徳心を持っていました。

    しかしながら、戦後、日本は高度経済成長の波に乗り、毎年増加する経済的豊かさの恩恵を受けることで、お金を重要視した生活を満喫するようになりました。その一方で、過去に経験をしたことのないような悲惨な事件が多発するようになってきました。

    この時代を生きてきたのが、今、高齢者となった私達、団塊の世代であり、その団塊の世代の子供たちが親となって子育をしています。そして、この二つの世代の人たちが、虐待をはじめとする大きな社会問題を引き起こしているのです。

    私は、この三年間、故井口潔先生から生物学的教育論を学ぶことで、その原因の主たるものは「知性脳と感性脳のアンバランスから生じている」ことを知りました。そもそも人間の大脳には、感性をつかさどる大脳辺縁系脳と知性をつかさどる大脳新皮質系脳の二つがあり、それぞれにバランスを取りながら機能して、精神をコントロールをするのが本来の姿だそうです。

    しかしながら、戦後の日本は、知性は実利・経済を生むことで実益に直結していることから、知性だけが価値の高いものだと思う風潮となってきました。それ故、感性脳を活性化させる道徳教育がなおざりにされ、「今だけ、自分だけ、お金さえ」の個人主義が横行する世の中になってしまいました。

    残念なことに、この「感性脳と知性脳のアンバランス」が、人間性を欠いた幼児虐待と高齢者虐待を生む原因となり、多くの社会的問題や犯罪を起こすこととなりました。

    ナカヤマ・グループでは、30年前から人間教育の重要性に気が付き、社内に「秀観塾」を立ち上げ、講演会、掃除活動、読書活動等に積極的に取り組んできました。しかしながら、一昨年の「働き方改革」により、これら社員教育に対しても、残業手当の支給対象とされることになり、活動が制限されてしまいました。

    もし、会社から人間教育の場がなくなったならば、よき社風が消え伏せ、いずれ会社の活力もなくなってしまうのではないでしょうか。また、無味乾燥した人間味のない職場で過ごすことになれば、社員の人たちが、家庭においてもよき親となれるのか、また、高齢者となった時には自分の尊厳を保つことができるのか、と大変危惧しております。

    働き方改革で活動が制限される中であっても、人間性を大切にする職場づくりはできると思います。

    「ありがとう」が飛び交う職場

    「ハイ、いいですよ」頼まれことに気持ちよく応えられる職場

    「整理整頓され気持ちのいい職場」掃除を大切に職場

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