今から33年前、ある出逢いから、私の人生は好転していきました。
大谷翔平選手が「なぜ、ゴミ拾いをするのですか」と記者に聞かれた時、「運は自分で見つけるもの、拾えるもの。僕は他人が捨てた運を拾っているだけです。」と答えたそうです。
例えば、汚れたトイレと美しいトイレがあるとしたら、私たちはどちらを選ぶでしょうか。無意識の内に美しいトイレを選ぶと思います。そのトイレを汚したのも人間、美しくしたのも人間です。人間は一人で生きられる生物ではなく、多くの人達とのかかわりの中で生活しています。でしたら、自分から相手に喜ばれる美しい環境を作っていってはどうでしょうか。
このように、人間に備わっている環境を良くする能力を活かしていけば、人生は必然的に良くなっていきます。その為には、まずその第一歩を自分から踏み出すことだと思い、実行してきました。
そのことを教えてくださったのが、(株)イエローハット創業者の鍵山秀三郎さんです。初めて出会った時、「私は30年間、毎朝、トイレ掃除をしてきました。お蔭で人生も会社も変わりました」との言葉に衝撃を受け、私は翌日から掃除を始めました。
もう一人、影響を受けたのが、宗次徳二さんです。宗次さんは孤児院で育ち天外孤独の中、貧乏のどん底から、掃除をベースにして今日のカレーハウスCoCo壱番屋を築き上げた人です。宗次さんは常々「掃除を続ければ人生は好転する」と、朝早くから掃除を続けています。
掃除は、汚れた所を美しくするだけでなく、そのものが本来持っている、よいものを引き出す力があり、掃除に携わる人の心にも無意識の内に影響を与えます。
例えば、①小さな汚れにも気が付くようになり汚さなくなります。②物を大切にするようになります。③仲間を大切にするようになります。そして何よりも、④相手も自分も活かす能力が身に付いて人間性が高まり、その上に自分自身の潜在的素質をも引き出してくれるようです。そして、日々の掃除の後の清々しい雰囲気の中に身を置ける幸せは、格別なものがあります。
近くのお寺の掲示板に「掃除の徳は、あらゆる福を生む基礎となる」とありましたが、33年間、早朝掃除を続けてきたお陰で、確かに人生も会社も、よくなってきました。