ネパールで27年間、貧しい村の為に尽くしているOKバジこと垣見雅一さんと、6月に話した時のことがとても印象的でしたので、改めて書きます。
日本は、ネパールの村と比べたら天国のような国です。生活環境は比べものにならない程に豊かで、所得も高く、職業も自由に選ぶことができ、病気になったら近くの病院に行くことができ、学校も近くにあり、いたれりつくせりです。
でも、どこか日本人は、不平不満を抱えている人が多く、自制心も乏しく、幸せ=お金と考えて、もっともっとと求めています。
トルストイの「人間にとっての不幸は、不足から生ずるのではなく、有り余るところから生ずる」の言葉通り、私たちは豊かさを求めて今日まできましたが、豊かになればなるほど、何か大切なものを忘れてきてしまったように思います。
(長所・いいところ 短所・悪いところ)
確かに、ネパールの村では貧しい生活環境にあり、水道もトイレもないような中での生活で、みんなが助け合っていかないと生活できない状況ですから、何か一つでも改善されると、みんな大喜びです。そして、そのことに尽力してくれたOKバジには感謝の声が寄せられます。貧しいが故に、小さな改善が喜びの種になり、心豊かに生活しているのです。
一方、日本での生活環境は他国の人たちがうらやむ水準なのですが、日本人にとってはこれが当たり前になっています。そして、この当たり前がくせものなのです。
(感謝の心で見ると)
この豊かな日本で心豊かに生活するには何が必要なのかを考えた時、思い出す言葉が「感謝に勝る能力なし」です。鍵山秀三郎先生は、次のように話しています。
「小さなことに大きく感謝出来る人は、大きな困難を小さく受け止めることができるようになります。そして、感謝の気持ちは困難や苦痛を和らげる効果があります。幸せな人生を送るためには、大きく感謝出来る人間になることが大切です。
反対に、小さなことに感謝できない人は、不平不満だけが大きくなります。その結果、小さな困難やストレスをますます大きくする傾向があり、周りを責め、孤立化していきます。」
(不満の心で見ると)
そうなのです。写真のように、どんな物事にも長所・短所がありますが、心のメガネの色で見えてくる世界が変わってきます。感謝の心で見る人は「長所」を発見しやすいですが、「不平不満・当たり前の心」で見る人には「欠点」がよく見えるようです。
一度の人生ですから、「ありがとう」を沢山使って「感謝の心の目」を大切していきたいものです。