毎週火曜日の朝、食品部(ナカヤマグループ)のトラック洗車を始めてから、もう15年の歳月が立ちます。
私が食品部の洗車を始めたきっかけは、三重県のあるスーパーを見学した際に聞いた、オーナーの言葉からです。
「私が仕入先を見極めるポイントは、第一に、品質管理がしっかりしていて安全、安心な食材を提供してくれる会社です。」「もし管理が悪く食中毒など出してお客様に迷惑をかけてしまっては、取り返しのつかないことになります。」「値段は、その後です。」「その見極めは、通用口に停まって荷物を降ろしている配送車の運転席を見れば、すぐに分かります。」と言われました。
運転席にサンプルやパンフレットが散らばり、私物が目に付くようでは、その会社の衛生管理の教育が不十分で問題を起こす可能性が大とのことでした。
確かにその通りだと思い、社内でもそのことを伝えましたが、何ヶ月経っても運転席が汚れたままの状態の人がいました。そこで悩んだ末に、食品部の毎週火曜日の社長同行掃除は、社長自ら運転席を掃除することを宣言しました。
そして、一時間を掛けて徹底的に掃除することで、運転席はすっかりキレイになり、ガラスもピカピカ、タイヤも黒々となり、まるで新車のようになりました。車を大切にしてくれるようになりました。お蔭で事故も減り、他社の車と比べても優位性が出てきました。
それまでは、まずは儲けなければと思い、車は動けばいいと目先の仕事優先でしたが、そのような考え方では、雑な心を生み、車の事故も多くなり、商品も乱雑に扱い、職場も荒れてしまいます。そして、問題が起きても自分を正当化させ、原因を他に転化する体質の会社になってしまうようです。
たかが洗車でしたが、自分たちで美しくすることで、これほどまでに気持ちを左右させるものとは思ってもみませんでした。特に、荷物扱いもよくなり、デッドストックも減らすことが出来るようになりました。
たかが洗車ですが、このことでお客様からの信頼を得られ、そして、社員間のコミニケーションがよくなり、職場がよくなっていきます。これからも、工場の整備と同様に、常に美しく整備された状態で仕事を始められるようにしていくことが大切と思っております。